2014.4.20 (sun) 東京三宿DEMODE R
照井さんのソロライブ。心地よい時間が流れて、音に身を委ねて。
ステージの構成、佇まいから細かな立ち振る舞いまで、期待通りの「らしさ」を堪能して、充実の時間を過ごせた。
現在進行形の照井利幸に、深く共感させられた。
風が吹くように、水が流れるように、日常の中で聞こえてくる音と楽器が絡まり合ってメロディーを奏でる・・・みたいな世界観。iPodから環境音、モニタには風景の映像が流れて、その中で黙々とアコギやベースを演奏する姿は、もはや仙人とか、老荘の域に入ってしまったんじゃなかろうか、と思わせる枯れ具合だった。「D.I.J.のピストル」で「あ”〜っ!」と雄叫びを上げていた方と同一人物とはとても思えない。達観の境地に思えた。
上から目線でたいへん恐縮ですが、『よくまとまっていた』。
帰り道、そんな完成度の高さに対する満足感を噛み締めながらも、何かモヤモヤした物足りなさが自分の中にあるのを感じて、それの正体が何であるかを考えていた。
照井さんの魅力は『意外性』にもあると思うのだが、あまりに綺麗にまとまりすぎて、そういった成分がなかった気がするのだ。(上から目線でホントウに恐縮です)
バンド活動ではフラストレーションが溜まるから、バンド活動を辞めてソロに専念する・・・その結果が今回のライブだとしたら、完成度があまりに高かった故に「完結」したような気がしてならない。
勝手な願望だけれど、バンド活動でフラストレーションを溜めながらソロ活動をすれば、あの穏やかな空間に不純物が含まれて、照井さんの魅力である「触れ幅の大きさ」が発揮されるような気がするのだ。小川のせせらぎや、ゆったりと流れる大河のような貴方の世界に、瀑布や濁流があることを我々は知ってる。
どんな形になるか分からないけれど、イライラしている照井さんが好きなのだ。(・・・なんなんだ、オレはw)
Pontiacsのベンジーの姿が頭をよぎる。あそこまで浅井健一を追い込むことができる唯一無二?の存在として、どんなにフラストレーションが溜まろうが、それを続けてほしいとも改めて願わずにいられない。
完璧主義者の照井さんがフラストレーションを溜める、それによってベンジーのブースターが振り切れる・・・そんな化学反応はきっと照井さんにも作用していたはず。
別にベンジーやチバでなくてもいいのです、またバンドやりましょうよ、照井さん。
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