Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

現場の直感力(「日立の壁」から)

巨大企業のトップの言葉とは思えない!!金言なので書き出しておきます。

報告を聞いていると、
「あ、これはだめだな」
というのが直感でわかってしまうというか、そんなところがあるのです。
現場を歩いてきた人間の妙な習性とでもいうのでしょうか。 報告を聞いて私が悪いと直感する事業はたいていうまくいっていませんでした。 数字も単に眺めていたのではだめで、 ブレイクダウン、ドリルダウンする。小さく細かくしていくと原因が見抜けることが多くあります。
「何かおかしいな」「これはだめだな」――私が自分のこうした直感に助けられたことは一度や二度ではありません。(中略)そのまま進めると赤字になったり営業利益が目標に達しなかったりする危険性が高いことがわかるのです。
どれだけ入念に計画していても、初めてのプロジェクトには失敗はつきもので、赤字になることもよくあります。ですから、新規事業の場合は目先の利益ではなく、将来的に大きな利益を生むかどうかの判断が重要です。しかし、現場をよく知っていなければそれを判断することはできません。
普通は、トップは結果で判断します。現場のことは現場に任せ、うまく行かなければ現場のトップを代えます。それが米国のビジネススクールなどが教える合理的な経営なのだと思います。
しかし、私にはそのような経営はできません。 良し悪しの問題ではありません。タイプの違いです。現場を知り尽くしている私には、私にしかできない経営があるはずだ。それが社長就任時の原点でしたし、そう考えて導入したのが、社長が事業を直轄するビジネス・ユニット制だったのです。