Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

1986年刊「システム思考入門」から

現在、書店で購入できる「システム思考」の入門書では、システム思考の源流を「システムダイナミクスからのループ図」としているものが多い印象です。「一般システム理論、サイバネティックス→→→」の流れからシステムダイナミクスを理解すると、世の中の問題が全てつながる世界観が描けますが、どうして伏せられているのでしょうか?(意図的かどうかはともかく)

1986年刊「システム思考入門」飯尾要 著から

以上,とりいそいでみてきたが,上述のすべての傾向,すなわち生物学や医学における神経生物学,大脳生理学,生物物理学などの発展,工学における制御工学,通信工学,電子工学技術などの発展は,一つのことをめぐって収束しつつあった。 それは, 生物と機械における“情報” と “制御” の機能と構造の共通性であった。 また,現代数学における記号論理学や公理論的集合論,確率論の発展は,上述の機能と構造を精確に表現し分析する道具を提供しつつあった。

このような背景に立って,1940年代にはいると,アメリカの数学者ウィーナー,イギリスの神経医学者アシュビー (W.R.Ashby), オーストリア生物学者フォンベルタランフィ(L. von Bertalanffy) などが,こんにちー般システム理論あるいはサイバネティクスとよばれているような主張を展開しはじめた。 この3人はそれぞれにインターディシプリナリーなグループをもち,おたがいに独立に,しかもまったく同じころに,同じ指向性をもった結論にいたったのである。

 ちなみに、" システム思考 - Wikipedia " では、そういった歴史が説明されています。

そして・・・う〜ん、なんかこれ・・・ワインバーグ氏の本は好きなのですが、ボタンの掛け違いを誘発させるようで感心しません。。これを源流、初期教典と勘違いして読むことで、システム思考の適用範囲を(無意識に)狭めてしまう気がしました。。