Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

総理のリーダーシップ

 脱原発という方向性に異論はないけれど、国のトップであるこの人から「組織をまとめる」という配慮が全く感じられないことは、違和感を通り越してもはや理解ができません。

 そもそもこれといったビジョンも打ち出さず、「脱小沢」とか、何か(誰か)にアンチテーゼを唱えて「脱○○」を繰り返すスタンスは野党のまんまに見えます。

 早々に党内で足を引っ張られると思っていましたが、これがなかなかしぶとい。国や党という組織をまとめることよりも、リーダーとしての自分を守ることを優先する、そんな超越っぷりは大企業病にかかった管理職のようで実に興味深いです。

 国が混乱すれば、国民の生活も一時的に大混乱に陥るはずですが、それすら「国を再生する手段」と割り切れる人なのかもしれません。そう考えると、現在の被災地に対する処遇も理解ができます。

 小泉さんは「自民党をぶっ壊す」でしたが、民主党は既にぶっ壊れています。
 何かに対するアンチテーゼでなく「菅さんが何をやりたいのか」考えてみると、霞ヶ関の官僚機構をぶっ壊して(脱官僚)、日本という国をぶっ壊したい(脱日本国)のかと思えてきます。
 日本という国の在り方や形が変わっても仕方がない、くらいのスケールの大きさ?で考えている人なのだとしたら、やはり自分の理解を超えています。

 人間ウォッチング歴はや数10年、人間の行動パターンはある程度見尽くしてきたつもりですが、菅直人の予測不能な言動はまだまだ「こんな人いるんだ」と楽しませてもらえそうです。

 しかし・・・自己保身しか考えていないのか、それとも100年後に「平成維新」と呼ばれるような歴史的な大転換を仕掛けているつもりなのか?
 いずれにしても明白なのは、菅さん自身には新しい日本のビジョンは見えていないだろう、ということです。
 ご本人が言っているように「後は若い人に託す」わけで、自分は学生運動のリベンジを果たして勇退、後を託された次の世代の責任や負担がとても重いものになるでしょう。

 これから社会的に大きな混乱が起きる、という覚悟と準備をしておいた方が良いかもしれません・・・。