Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

天津:中華劇院


 天津の「中華劇院」で京劇を観てきました。

 券を取ってくれた中国人から「一番安い券を買ったけど、ガラガラだろうから、勝手に前のほうの席に移動して観てもいいですよ」と言われて、その気になって入ってみたら・・・観客がギッシリ。
 それどころか、自分たちの座席であろうところにまで、空席がありません・・・場内案内のおばちゃんがボクらを恫喝するので、ひるんでいったん外に出たのですが、どうやら恫喝していたのではなさそうだ、ということで改めて中に入って券を渡したら、ボクらの席に座っていた連中を恫喝して(笑)座席を空けてくれました。
 建国60周年の国慶節を前に、治安などの面でも厳しさを増しているようですが、逆に祝賀モードの一貫として、天津に第一級の俳優を集めての上演会・・・ということのようです。(そうでなければ、こんなに客が入っているはずがないらしい)
 それで演目ですが、『三国志演義』の中でも有名と言われる「空城の計」(いま制作中の京劇アニメでも取り上げている)でした。おおまかに(かなりおおまかに)あらすじを知っていたので、言葉が分からなくてもかなり楽しめました。

 初めて生で観たのですが、衣装やメイクは日本の歌舞伎よりきらびやかで、そこに着目して見ているだけでも飽きません。

 また、舞台の袖に演奏部隊がいるのですが、あの特長のある京劇の伴奏があんな楽器であんな風に音を出しているのか、と観察していると、それだけでライブに来た感覚。

 何よりも面白かったのが観客の反応で、見せ場での掛け声はもちろん、ミュージカルっぽい演出のところでは一緒に歌っちゃうし、詳しくなればなるほど楽しめそうな奥深さを感じました。

 ただ「泣いて馬謖を斬る」のあたりまで喜んで見ていたのですが、そろそろエンディングかな、と思ってからが長い長い・・・夜10時を回っても終わる気配がなくて、正直くたびれました。

 そろそろ限界か、というところでちょうどエンディング。
 終演後のカーテンコールで主役級の俳優たちは、ものすごい数の花束を贈呈されて、場内は割れんばかりの拍手でした。必ずまた機会をつくって観に行きます!!