中国に滞在して仕事をするようになって、こちらの言いたいことを伝えて理解してもらうことが「どうしてこんなに大変なのか?」と悩んだ記憶があります。
ただ最近、そういった苦労をあまり感じなくなったのは、少しはコツが分かってきた、ということなのでしょう。
コツをつかむまでにトライ&エラーの時期もありましたが、改めてポイントを整理してみると、以下のように単純です。
- 曖昧な修飾語や接続詞に頼らない表現(≒図解)
- 結論を簡潔に伝えた上で、理由は論理で訴える
最近は個別の相談であっても、パワーポイントを使ってプレゼンテーションをするような意識で伝えています。
プレゼンテーションの基本ノウハウにも通じることなので、「当たり前のことを当たり前にやれば伝わる」そう信念を持った方がよろしいのではないでしょうか。
当初、やたら「中国人には気をつけろ」と吹き込まれてきたわけですが、年月を重ねて振り返ってみると、上記のようなポイントを工夫しないまま、何年も苦労し続けている邦人も多いようなのです。
日本人同士のコミュニケーションでは、相手に伝えにくいことは明確に言葉に出さない方が美徳とされ、間接的な情報を並べて相手に察してもらう、といったテクニックが多用されます。
また、合理性の感じられない判断を、縦社会の論理だけ、後は浪花節で押し切るといった慣習は、日本の大企業ではまだまだ多いようです。
これが異国で受け入れられないのは「当然」と考えるべきです。
タイトルに「?」をつけたのは、コミュニケーションの原則は「相手のパーソナリティーに合わせて伝え方を(こちらから)変える」ということですから、そもそも「中国人」とひと括りに定義しようとすることに違和感があるのです。