Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

BOB DYLAN JAPAN TOUR

 若い頃から聴いてはいたけれど、背伸びしてたというか、正直なところ何処がいいのかは分からないままだった。

「NO DIRECTION HOME」を観てからだったか、その前からだったか、何か劇的に自分の中で存在感が増してしまって現在に至る。

 それでも興奮とは正反対の方向で、何故か癒しの世界。

 ボブ・ディランに癒されてしまう自分、そのロジックがよく分からないけれど、ロックンロールと禅が似たようなものだと腑に落ちて自分の中の何かが統合されかけた頃に、その存在がシンボルのように思えた。

 どのアルバムにどの曲が入ってるとか、題名も気にせずに聴いているんで極めてBGMに近い。歌詞の意味もあんまり知らず。

 

 3月の上旬に帰国することは半年前から決定していて、滞在は1〜2週間といういつものパターンから東京公演は無理と踏んで、大阪への遠征を画策してみた。

 ZEPP大阪は実に10数年振り、ブランキー解散前に来たときは周りに何にもなかった記憶が・・・。

 道順を間違えたらしく、裏から金網を乗り越えて会場入り。早速、物販に並んでみたら、前で買い物してたのが浦沢直樹だった。浦沢さんも遠征ですか?
 その次のおばちゃんがコテコテの関西人で、無駄口ばかり叩いていて一向に買いやしない。少しイラッとしたが、そのお蔭で商品を全てチェックできて、お土産にチロルチョコ購入。翌日の呑み会で開けるつもりが、永久保存に格上げの絶品。

 

 それで肝心のライブについて。

 目の前で実物が、本当にあの声で、あの歌い方。

 うわあ、ホンモノだよ。

 ジャイアント馬場か、森進一の本物を見ているような心境。

 バンドのメンバーはオルガンを弾きながら歌うボブ・ディランを見ながら演奏していて、観客のことは眼中にないかのような様子。
 演奏が本当に上手で、心地良く聴いていられるのだけれど、バンドも観客もみんな視線はボブ・ディランに向けている。

 なんなんだ、この空間は・・・。

 アンプの上に置かれたオスカー像が印象的で、神々しい雰囲気をより増長させている。

 バンドの演奏は安定感が抜群で、懐かしさを覚えるブルージーな音色に身を委ねているうちにアンコールを迎えて、背伸びを続けたふくらはぎが限界を迎えるのと同時に終演。

 心地良すぎて、有難味を実感できないまま終わってしまったような・・・東京公演でもう一丁いきます。

 セットリスト http://www.boblinks.com/031210s.html

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム [DVD]

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム [DVD]

 大阪に勤務していた時代によく行ったお好み焼き屋「ひろかずや」が健在だったので、ひとり打ち上げ。いやはや、なんだか懐かしい・・・。
 
 生ビールと定番のねぎ焼きを頼んで、向かいに座っていた人が食べていた焼きそばがあまりにおいしそうだったのでたまらず生おかわりと追加注文。
 
 さすがに食べきれず、半分づつ持ち帰り用に包んでもらって、翌朝ちゃんと食べました。