Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

会計管理はワークフローにヒモづいていない

 TOCクラブの放課後セミナーに時々お邪魔させて頂くのですが、先日の「スループット会計」は充実した内容で、とても有意義でした。

 その中で、個人的なパラダイムシフトにつながる気づきがありました。

 内容を要約させて頂くと、

一般的な会計管理はワークフローにヒモづいていないので、コストとの因果関係を考慮せずに常識的と思える経営改革を進めた結果、逆に経営状況を悪化させる可能性がある

ということです。(CCR:制約工程のチェックが大切、という点がTOC:制約条件の理論で、ライン管理や設備投資を担当すると感覚的に理解できることだと思います。)この事実は既に分かっていたことですが、

(会計の数字は)現場とヒモづいていない

という表現は自分の中からは出て来なかった言葉で(そう言い切る自信も根拠もなかった)この言葉がガラガラと固定観念を崩してくれました。

 経営サイドが結果である数字しか見ない(見えない)ということは良くあります。それで現場に指摘をするのは全く構わないのですが、現場の意見にも耳を傾けてもらえる場合と、「数字は正しい」という前提で一方的に指示を押しつけられる場合があります。
 後者のスタンスの人に、どうすれば理解してもらえるか、どう折り合いをつけていくか、というのは、自分の社会人生活の中でとても大きなテーマになっていました。(グロービスに財務と会計の講座を受けに行ったり)
 些細なものは妥協しても構わないのですが、業績に大きく関わる、或いは現場に壊滅的なダメージが出る場合など、しつこく方針転換を求めようとして結果的にプロジェクトから外されたケースもあります。
 そういった場合、経営サイドと現場サイド、どちらの見解が正しいか、といった対立構造になると、現場に勝ち目はありません。(自分が現場サイドの人間なのか?というと、必ずしもそうではないのですが)

 仮に

  • 経営サイドの見解は正しい。
  • 現場サイドの見解も正しい。
  • 但し、両者はヒモづいていない。

という観点からアプローチしていたら、あれもこれも違った結果になったのではないか?・・・そう考えると、過去10数年の自分の経験に課題がたくさん見つかり、まだまだ伸び代も多いことに気づかされました。

 自分よりも圧倒的な経験と知識を持っている方の話を聞いて、心地良い敗北感?を得られる機会は限られているので(それも無料で)ゴールドラットコンサルティング様に感謝します。

 既に知っていたはずのことが違った輝きを持って見えてくる。言霊の力を思い知らされました。そんな言葉を発せられる人にならなくては。