Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

Story is King , Trust the Process

 エド・キャットムル著「ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法」ようやく読了。付箋を貼りながら読み始めたのだけれど、ほぼ全ページに貼ることになる勢いだったので、最初の20ページあたりで止めた。400ページあったが、非常に読みやすかった。

 これ読んだ方と、熱く語り合いたい。

 内容が(個人的に)濃すぎて、簡潔な書評にできない。気が向いたら、少しずつ書き留めていくかもしれないけど。共感というか、本を読みながら心が通じ合えているような感覚に安堵を覚えた。

「第4章 Establishing Pixar's Identitiy ピクサーらしさ」から

トイ・ストーリー』をきっかけに、ピクサーのクリエイティブを特徴づける二つの基本的な考え方が生まれ、皆が心の拠り所にし、標語か合い言葉のように会議で繰り返し唱えるようになった。

第一の原則は、「物語が一番偉い(Story is King)」。つまり、技術であれ、物品販売のチャンスであれ、何であってもストーリーの妨げになってはならないことを意味する。

我々が頼りにしてきたもう一つの原則は、「プロセスを信じよ(Trust the Process)」。これを気に入っているのは、非常に安心感が持てるからだった。さまざまな要素が絡むクリエイティブな作業には、必ず困難や失敗がついてくるが、「プロセス」に従って進めば切り抜けられると信じていい、そういう意味だ。

アーティストには「遊び」を、監督には権限を与え、社員の問題解決能力を信頼する会社である。私はつねづね、格言や規則というものはえてして中身がなく、思考を妨げるものだと思って用心していたのだが、この二つの原則は、実際に社内で役に立っていたようだ。


7年後の追記:ブレイントラスト 〜 ピクサー流 創造するちから 〜sensism.hatenablog.com