Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

FUJI ROCK FES.2008 千秋楽







3日目。ゆっくり目に宿を出て、ヘブンの Double Famous から。

いったんオレンジの奥地まで行ってからグリーンに下りてくる。
開演時刻だというのに JAKOB DYLAN はスッカスカ・・・。
思わずモッシュピットに入って、かぶりつきの位置に陣取る。
グリーンでこんなに前(2〜3列目)に立つのは初めての経験だ。

見れば見るほど親父クリソツ。東京ボブディランよりもリアルに似ている。やはりDNAにはかなわない。
アコースティック・バージョンとか言いながら、音楽性で親父と差別化できないんだったら、2代目を名乗って親父の曲を堂々とやった方が世界中で喜ばれるだろうに。あそこで唐突に「LIKE A ROLLING STONE」とか演ったら、どっかーん!だったと思う。
DNAは有効活用しなきゃ。

オレンジに上がって、友部正人with三宅伸治
アコギ、ハープ、絶叫調の発声と、ストライクゾーンなはずが。
グッと来そうでありながら今ひとつ突き抜けられないのは、きっと詞がよくないせい。完成度は低い、と言い切れる。プロデューサーのダメ出しとか、そういったことの功罪について考えてしまう。

三宅伸治のファッションセンス・・・。

その後、雨の合間にアヴァロンでメシ喰って昼寝・・・のつもりがボタボタと落ちてくる大粒の雨とカミナリ。
すぐに弱まるのではないかと、少し様子を見ようとしたのが失敗。すぐに慌ててカッパを羽織ったものの、背中がグッショリ。

都会に住んでいると、こういう体験はできない。心が折れそうになる。

背筋からじわじわ寒くなってきたので、不本意ながら(笑)宿に退散することに決める。

なんたって、オーラスのロドガブを万全の体調で迎えなければならないから。このあたりの老獪な判断、伊達に年齢を重ねていないと思われる。大人のフジロック

宿に戻ると、既に風呂から上がった先輩が部屋にいた(笑)。

風呂で体を温めて、そのまま横になりたい誘惑を振り切って重装備で出直し。結局、その後は降らなかったけど。

BIRTHDAY、ゆら帝なんかをチラ見しながら上へ。
もはや狙いはただひとつ、RODRIGO Y GABRIELA。

滅多にしないことだけど、開演30分前からステージ前に待機。目の前に障害物は何もない。
ロドリーゴの早弾きはまだ理解の範疇だけど、ガブリエラの右手、あの「別の生命体」を肉眼で目視してやるのだ。

演奏が始まって、ただただ圧倒される。

アコギ2本でこの音の厚み。そして観客との一体感。

腕もちぎれんばかりに手を打って、ステージを見守って、高揚した気分が一度も途切れることなく時間が過ぎていった。

素晴らしい。

存在そのもの、一挙手一投足が素晴らしすぎる。

研ぎ澄まされたパフォーマンスの前では、エフェクターをかませているとかいないとか、後ろで映像が流れているかどうか、なんてことは全くどうでも良いことで。

前日の機材トラブルって、単なる口実でしょ?

余韻覚めやらぬまま、終演後に暫くヘブン周りを徘徊する。
最終日にしてこの余力。ようやく調子が出てきたってことか。遅いよ。