Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

第三国の効能

 ソウル乗換便はフライト時間によっては1泊しなければならないので不便・・・と感じる方が多いでしょうが、個人的にはあえて有効活用するようになりました。
 ぼくはハングルが全くできないのですが、ソウル市内は東京と全く同じ感覚で行動できます。明洞の繁華街は渋谷や新宿と変わらず、初めて行った時にはつまらない、何も刺激がない・・・という感想を抱いたのですが、ただ観光地として面白くなくても、移動や食事など生活面で難儀することなく、だけど文字や言葉は全く分からない・・・そんな空間が、自分にとって貴重な存在になりつつあります。
 常に頭の中では中国と日本の間でのルール調整、双方の抱えている事情を掛け合わせているような状態です。それが韓国という第三国に自分の立ち位置を「物理的に」置くことで、すっきり整理してまとめる時間が得られているのです。
 最近は日本をかなり客観的に見れるようになってきましたが、それがややもすると「中国への肩入れ」と受け取られ兼ねない面も出てきて、まあ要するに気も遣うわけですね・・・。そういった気遣いとは別に、頭の中を原理原則で仕分けて整理できる空間として、飛行機の中やソウル市内は非常に生産性の高いアウトプットの場になっています。
 
 極たまに案内板が読めない、アナウンスが何を言っているのか分からなくて不安を覚えることもありますが、そんな時は「東京に来た外国人」の気分です。
 こうして得られるインフォメーションやコミュニケーションについての根本的な気づきは、中国での生活とはまた違ったレベルからヒントを与えてくれるのです。