Réalisation ॐ

永遠の相のもとに 〜 Sub specie aeternitatis 〜

中国でのSkype活用

 この1〜2カ月、東京に潜伏しながら中国の現場に指示出しをする毎日だったのですが、俄然高まったのがSkypeの存在感です。
 もともと西安のスタジオ内でもリーダークラスの中国人にアカウントを持たせて、Skypeチャットを進捗報告や連絡に使っていたのですが、日本にいてもSkypeを立ち上げておけば現場の動きがリアルタイムで把握できます。これには非常に助けられました。

 気になることがあれば、駐在員や通訳に音声をつないですぐに確認できますし、そこまでの緊急性がなければチャットに書き込むだけで現地の主要メンバーにタイムラグなく指示を伝えることができます。(本当に単純な、記号的な伝達は自分の稚拙な中国語で問題ないですし、ニュアンスの微妙な指示も日本語で書いておけば、瞬時に翻訳担当が中国語で追記してくれます)
 食事などで外出している時でもiPhoneで開けば進捗が見れるので、本当に便利でした。

 中国にいると主要なソーシャルメディアから隔絶されて、ネットを使ったコミュニケーションでかなりのハンデを負ってしまいます。「インターネットに国境はない」というビジョンがもろくも打ち砕かれるのです。
 自分の人間関係が「人人網とFacebook」「微博とTwitter」と国境で分断されているかのような錯覚に陥ります。(事実、それに近い状況なのですがw)
 そんな中、Skypeが憎っくき『ChineseGreatFireWall』の存在を忘れさせてくれたのは、かなり感動的でインパクトのある経験でした。それもコストはゼロなのですから!
 
中国とビジネスする方は迷わずSkypeを活用することをおススメします!
 ・・・一方で、日本の大手クライアントからはセキュリティーを理由にSkypeの使用を禁じられる場合が多く、電子メールのみを使うことになります。メールでは即時性が奪われ、納品前の修羅場ではこのタイムラグの影響が小さくありません。このあたりは小さなプロダクションの方が機能的で融通を効かせて頂けるので、コミュニケーションの効率が全然違ってきます。

 事前に現地で充分な目線合わせをして帰国したこともありましたが、今回は自分の身体が東京にありながら中国の現場とリアルタイムでつながっている感覚で、あまりストレスが生じませんでした。

 逆に、同じ東京にいるクライアントとの連絡に距離感を覚えてしまいました。

 このような『JapaneseFirewall(???)』を様々な観点から自覚させられることが最近は増えてきました。テクノロジーがいくら進歩したところで、使う側の人間の意識にその効能は左右されてしまう・・・そんな普遍的な課題を再認識させられています。